四畳半神話大系 第8話 読書サークル「SEA」感想

とうとう景子さんメイン回。3つのサークルを掛け持ちする「私」(声:浅沼晋太郎さん)が、魅力的な先輩・羽貫さん(声:甲斐田裕子さん)、ラブドールの香織さん(声:浅沼晋太郎さん)、文通相手の景子さん(声:大原さやかさん)の3人のうち、景子さんを選択した場合の物語。

ナレーション:私は肉欲には負けぬ!
       私が今すべきことは、虚飾をとりはらい、ありのままの自分をさらけ出すことだ!
       景子さん、待っていてくれ!

毎度口だけは威勢がいい「私」。

四畳半神話大系 第8話 読書サークル「SEA」感想

ナレーション:もともとインドア派である私は、読書を通じて出会いを求める。

しょっぱなから本音。すでに出会いを期待している事を隠す気はないようです(笑)。

しかし、いつもどおり読書の魅力を語るナレーションは健在。

「出会いと別れのリアス式海岸」はいいけど、「絶望のサルガッソー」はちょっと…。サルガッソーの海は、入ると船が動かなくなって死に至る海なので(笑)。

ところがまたもや「私」の思惑とは違って、読書サークル「SEA」は図書館で静かに読書する読書サークル。読書の邪魔になる物音を立てようものなら…。

ナレーション:これでは恋も芽生えない。「太平洋ひとりぼっち」だ!

なつかしい本の題名に思わず笑ってしまいました。余談ですが「太平洋ひとりぼっち」といえばヨット・マン堀江謙一さんが一人乗りヨット(だったかな?)マーメイド号で太平洋を単独横断したときの航海記。とても面白いですよ。

話は戻りますが、読書サークル「SEA」の活動描写は少なくて、ほとんどこのシーンだけ。まあ今回のメインは景子さんですからね。

ある日、6話で説明されていたように小津(声:吉野裕行さん)から偽造レポートの受け渡し。そのついでに古本屋で買ったという文庫本を小津から譲り受ける「私」。題名は「夜は短し歩けよ乙女」…「四畳半神話大系」の原作者・森見登美彦さんの本ですね(笑)。表紙イラストが「夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)」の表紙ですよ。

その文庫本の最後には、以前この本を持っていた人の住所と名前が残されていたのでした。かねてから文通に憧れていた「私」は、意を決して前の持ち主に手紙を書いたことが景子さんとの文通の始まり。

ちなみに文通に対する憧れを小津に語ったときの、小津の反応。

小津:それで見知らぬ女性に卑猥な言葉を送りつけて(中略)この桃色筆まめ野郎!!

「桃色筆まめ野郎」ってすごい表現だけど、「私」の筆まめさを見るとあながち間違ってはいないかも?

手紙の文章は「私」も景子さんも、今風のメールと違う少し古風な文章。「私」の「黒髪の乙女」妄想がかきたてられるのは無理ないですね。

秘密にしていたはずなのに、なぜか小津に文通の件を気づかれてしまいます。小津がいつも主張する「情報網を甘く見ないでください」なのかと思いきや、ラストにからくりが明らかになります。

景子さんとはプラトニックな関係であることを主張する「私」に、

小津:あなたの半分はエロでできている。今にも会いたくて悶々としてるくせに。

バファリンみたいに言うな!(笑)とは思いますが、間違った事を言ってるわけではないですよねー。

現時点では、羽貫さんとはまだお茶飲み友達。

ナレーション:いや、いつの日か羽貫さんと山崎蒸留所のウイスキーを樽ごと飲み干すのだ!

…飲み干すとしたら、8割がた羽貫さんでしょうね。「私」には荷が重過ぎます(笑)。

話は進んで、代理戦争の相手が城ヶ崎先輩の下宿に忍び込み、香織さんの暴露映画上映。これがきっかけで城ヶ崎先輩は香織さんを「私」の下宿に預けることにしました。

2話の「私」が映画サークル「みそぎ」に入っていたときを思い返してみましたが、そういえば暴露映画は小津編集でアドバイザーが樋口師匠でした。ということは、2話の場合も代理戦争の一環だったとも考えられるんですね。

そしてとうとう、景子さんから「直接会いたい」という手紙が。うれしさと困惑で迷う「私」。

絶対に会う事がないと思っていたからこそ手紙に書いてしまった、誇張された「私」の人間像。

ナレーション:景子さんを幻滅させることはできない。私は嘘をつきすぎた。合わす顔がない。

そして選択の日。羽貫さんを助けるために城ヶ崎先輩との飲み比べに辛勝。羽貫さんを家に送ったものの、景子さんを選択して部屋を飛び出した「私」。

今回は占い婆(声:真山亜子さん)が少しトリッキーでした。6,000円ですんだかと思いきや、後から追加料…。

待ち合わせ場所のカフェはすでに閉店時間で会う事ができず、景子さんのマンションへ向かった「私」。そのとき景子さんの部屋から出てきたのは…

ナレーション:まるでもう小津である、小津と瓜二つである、むしろ小津そのものである! 小津本人である!!

この2年間、小津と文通していたのだと気づいて衝撃を受ける「私」。

小津が秘密主義で「私」に自分の下宿の場所も教えてくれなかったのは、文通がばれると困るからですね(笑)。

この夜小津が自転車に乗ってどこへ出かけたかというと、もちろん香織さんの回収のはず。

そこに待ち伏せしたいた明石さん(声:坂本真綾さん)。

明石さんは「私」に謝罪。小津に頼まれて「景子さん」の代筆していた事、小津が途中で飽きたので「景子さん」を途中から引き継いで文通を続けていたということを告白。

先輩(「私」)は「ちょっと見栄っ張り」だったけど、私も嘘をついていたから「おあいこ」だと言う明石さん。

そして、高校生のとき「もちぐまんショー」で男達に絡まれていたとき助けてもらったお礼。明石さんは「私」があの時の助けてくれたもちぐまん(白)の中の人だと覚えていました。

ここで「私」はもっと素直に状況を受け止めていればよかったのに、またまた勘違いをしてしまうんですね。

明石さんが好きなのはもちぐまんであって、生身の「私」ではない、と。

さらに、

ナレーション:そうだ勘違いするな。私がほれたのはあくまで小津がつくりあげた景子さんなのだ。
       断じて明石さんではない。論点をすりかえてはならぬ。
       人恋しさにまかせて刹那的に相手をほしがるなど言語道断!

と自分の気持ちも勘違い。

明石さんを助けたのはもちぐまんではなく現実の生身の「私」。明石さんはそれを理解しています。

景子さん役を演じたのは小津から頼まれた事、小津が飽きたからといって途中で止めてしまうのも先輩(=「私」)が気の毒だから。

小津が設定した「景子さん」の設定にはずれないように文通を続けるなんて、樋口師匠がらみの兄弟子の頼みでもなかなか続けられませんよ。やっぱりこれは好機なんですよ(笑)。

「私」は自分の気持ちに素直になって、突っ走ればいいのに。とにかく理論と建前優先で、それができない「私」。

ジョニー:ちぇーっ、千切れて飛んで行きてーよー!!!

千切れて飛んで…って、(以下自重)。

しかし今回の小津のすごさ。

ナレーション:たしかに私にとって景子さんははまりすぎるほど理想の女性であった。

小津はどれだけ「私」のことを把握しているんだか。「私」以上に「私」の事を把握していますね。

なにげない会話の一つ一つから「私」の理想の女性像を作り上げる手際。なにげなく古本を「私」に譲って、長い期間をかけた手の込んだいたずらをしかける。手間隙も尋常じゃなくかかってると思うんですが。

文通の最初の方の少し古風で風雅な女性の文章を小津が書いていたかと思えば、笑える反面空恐ろしいような。

小津は工学部だから理系のはずなのに文章も巧み!? しかも手紙の文面なんて、かなりボロが出やすいと思うのに完璧。デキル男すぎてこわいです(笑)。

ナレーション:やつはさんざん私をおかずとして上手いメシをむさぼり食ってきたに違いない!

いくら「人の不幸をおかずに飯が三杯食える」人でも、これだけ手の込んだいたずらはなかなか…。

カステラは毎度最初にナイフでカットされるものの、感情的になった「私」に手づかみで貪り食われる運命。

今回の小津にぐるぐる巻きにされて深い海溝に沈んでいくイメージ映像は、マリアナ海溝になってましたね。以前は日本海溝だったような気がするので、深さが増してるって事でしょうか!?

小津と落ちていく運命に少しほっとしている「私」はへたれキャラですね。と思いきや、

ナレーション:いかなる手を使っても(恋の)表彰台に上りたい!!!

まだあがくつもりのようです。次回はどうなる!?

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